金川 欣二:マックde記号論(言語学のお散歩)

決定版イタリア家族旅行2001

Gondola(Venezia)

Gondola(Venezia)

はじめに〜準備
12月24日(月)■成田→ミラノ
12月25日(火)■ミラノ→ヴェローナ→ヴェネツィア
12月26日(水)■ヴェネツィア→フィレンツェ
12月27日(木)■フィレンツェ
12月28日(金)■フィレンツェ→ローマ
12月29日(土)■ナポリ→ポンペイ→ローマ
12月30日(日)■ローマ→機内泊
12月31日(月)■成田着
終わりに〜その後

Johann Wolfgang von Goethe“Mignon”
ゲーテ「君よ知るや南の国」森鴎外訳

レモンの木は花咲きくらき林の中に 
こがね色したる柑子(こうじ)は枝もたわわに実り
青き晴れたる空よりしづやかに風吹き
ミルテの木はしづかにラウレルの木は高く
雲にそびえて立てる国や 彼方へ
君とともにゆかまし

イタリア
詳細地図

 次の人には読むことを勧めません。

1.役に立つ情報を得たい人
2.外国や旅行に詳しい人
3.感動したい人
4.親馬鹿が嫌いな人
5.インターネットが嫌いな人

 僕の他の文章も同じような条件ですが…。

 それから、前回の文章よりはドラマチックじゃないし、面白くないことは確かで、本当に備忘録で書いていることをご承知おきください。

 意義があるとしたらデフレ時代にどれだけの家族旅行ができるかということだ。

 そうそう、何が決定版かというとツアーの募集タイトルが「決定版」だったからで他意はない。ヒラメもない。

 詳しいことはガイドブックを見るしかないし、もっと蘊蓄を傾けている人もいっぱいいるだろう。僕としては『津軽』の太宰のような気持ちである。

私はこのたびの旅行で見て来た町村の、地勢、地質、天文、財政、沿革、教育、衛生などに就いて、専門家みたいな知ったかぶりの意見は避けたいと思う。私がそれを言つたところで、所詮は、一夜勉強の恥ずかしい軽薄の鍍金(めつき)である。それらに就いて、くはしく知りたい人は、その地方の専門の研究家に聞くがよい。私には、また別の専門科目があるのだ。世人は仮りにその科目を愛と呼んでゐる。人の心と人の心の触れ合いを研究する科目である。私はこのたびの旅行に於いて、主としてこの一科目を追及した。


 メグ・ライアンとトム・ハンクスの出た『めぐり逢えたら』には『めぐり逢い』をテレビで見るシーンがある。デボラ・カーがケイリー・グラントと別れる時に言う科白を友達と一緒にいう。

“Winter must be cold for those with no warm memories.”
「暖かい想い出のない人には、冬はきっと寒いわ」

 昨年行ったばかりなのに、再びイタリアに行くなんて思ってもみなかった。トレビの泉のせいだろうか?きっと、暖かい想い出を作りたいためなのだ。

 あの家庭的とは思えない野坂昭如だって、「幼い子には旅をさせよ」は真理、だという。

 スポーツもそうだし、芸ごとも端役から身につけなければ、姿の悪さが残ってしまう。本だって、これはぼくだけのことかもしれないが、十七、八まで読んだものが、小生の根幹をなしている感じ、以後、教養としてやら、気取りの必要からひもといた類いは、一年草みたいなもので、つぎつぎに枯れてしまう。まして、糊口過ごすための読書など、眼から指に抜けてそれなりけり。【…】

 あえてパパ諸氏に申し上げたい。子供をつれて旅に出よう、子供にとっては、いかにセットされたそれであっても、非日常の経験であり、大人の眼でみりゃ平凡な森羅万象が、克明に新鮮に印象づけられるはず。

 てきぱきととりしきれば、父親を見直すにちがいない、もっとも女房連れだと、またまた手順のわるさを攻撃され、宿の飯の不味いことまで責任負わされて、逆効果かもしれないが。

 子どものためにも外国へ行こう!

 この年(2001年)の9月11日にはアメリカの同時多発テロがあって、世界貿易センタービルもアメリカの威信も消えた。更にアメリカン航空のニューヨークでの墜落事故もあって、海外旅行へ行くなんて考えられなかった。

 もちろん、テロの影響でニューヨーク3万というような魅力的なツアーもあって、そそられたのだが、家族の反対が強かった。何もないだろうが、何かあったら子どもたちが可哀想だ。航空機テロはなくても、炭疸菌が心配だ。

 代わりにケニアに行こうと思っていたのだが、テロの危険地帯になって(アメリカ大使館爆破事件があったため)、ツアーが催行されなくなっていた。

 国内旅行を探してみたが、リーズナブルなツアーがなかった。沖縄で8万というのがあったが、沖縄だって危なさそうだ。日本が自衛隊を出さなかったら違ったかもしれないが、アメリカ軍関係は危険な予感がする。沖縄をアメリカ軍の中においている国の責任だ。

 国内の観光業にとって、今回の事件はラスト・チャンスかもしれないのに、どこも似たような企画ばかりで、値段も子連れだと高い。クルマで行って、食べきれないほどのご馳走を出されて、朝食でも食べきれないほどのものを出されて、高いお金を払ってくるのはイヤだ。国内旅行に代えた人々もこりごりして、テロの収まるのを待つことだろう。

 それで何も考えずにいたのだが、ある日、関空発「決定版イタリア8日間」99800円というツアーを見つけた。12月24日が最後で、値段は変わらない!しかも阪急交通社!

 これでリベンジができる!リベンジというのは前回、フィレンツェへ行きながらウフィツィ美術館へ行けなかったので、必ず行きたいと思っていたからだ。

 これは行くしかない!と、妻が翌日申し込んだ。すると「即日完売」とすげない。確かに当たり前の話で、ローマフリー旅行だけでもそれくらいのお金がかかる、まして、イタリアを周遊するとなれば、と諦めかけたが、「成田発はないのですか?」と聞いたら、「ああ、まだ残っています」ということで即決断してしまった。

 申し込んでから、スケジュールとか値段とか変わりないのですか?と再び電話をした。「はい、値段が変わります」というので妻はドキドキ。「旅行代は?」「ええ、99800円ではなくなってちょうど10万円になります」というので一安心して、電話を切った。

 でも旅程こそ大切だというので、もう一度かけ直した。すると「旅程も違います」「ええっ」「はい、旅程は関空発が関西空港発で、成田発は成田発になっています。あとは変わりません」。

 未蘭にこの旨を告げると「こんなテロとか事故とか続く時期に海外旅行に行かなくても…」と否定的。困った。そのうち、「今度、ジェニーちゃんの着物を買って」とねだってきたので、「じゃあ、買ってあげるから、イタリア行こう」というとあっさり納得してしまって、持っていくカバンだの服などをチェックし始めた。

 おばあちゃんも「こんなテロの時期にヨーロッパに行かなくても…」とか「そんな安いツアーに参加して危なくないか」とかなり手強かった。ただ、もう、ビン・ラディンはおしまいだよ、アルカイダは全滅したよ、阪急交通社だから大丈夫、などと話して説得した。

※2002年になって分かったが、12月22日パリ発マイアミ行のアメリカン航空機が靴に仕掛けた爆弾で墜落する寸前、マッチの匂いで乗客たちが捕まえて難を逃れた、という事件が発覚した。このテロが成功していたら、この旅行は中止していたかもしれなかったと思う。

※後で分かったのだが、学校でハングルを教えている非常勤の先生も夫婦で関空発22日の同じ旅行をしたそうだ。急に旧友と会ったような気持ちになった。翌年、12月25日発だが同じツアーは19万円になっていた。ちょっぴり得をした気分だった。

■利用予定航空会社 エールフランス国営航空 フィンランド航空  アリタリア航空 ブリティッシュエアウエイズ 日本航空 KLMオランダ航空  全日本空輸 スカンジナビア航空  スイス航空 
  エコノミークラス利用
■利用予定ホテル ミラノ:レオナルド・ダ・ビンチ
ベネチア:アレキサンダー
フィレンツェ又は近郊:フィルスト
ローマ:ピサナパレス
※同等クラス、又はそれ以上のクラスのホテルを利用する場合もあります。詳しくは募集パンフレットをご覧下さい。
■出発地(主催) 成田 
■出発地(手配)
■最少催行人員 30人
■添乗員 成田空港から同行
■サービス
■延泊 設定なし
■現地税

旅行日程

◆1.午前:成田空港より空路ヨーロッパ内にて乗り継ぎミラノへ。着後ホテルへ。【ミラノ泊】

◆2.午前:ミラノ市内観光(ドゥオーモ、ヴィットリオ・エマヌエレ2世ガレリアなど)その後、ロミオとジュリエットゆかりの地ヴェローナ観光。夕刻:ベネチアへ。【ベネチア泊】

◆3.午前:ベネチア観光(サンマルコ寺院、ドゥカーレ宮殿、ベネチアングラス工場見学など)その後ロマンチックなゴンドラ遊覧をお楽しみ下さい。夕刻:フィレンツェへ【フィレンツェ又は近郊泊】

◆4.午前:フィレンツェ市内観光(ドゥオーモ、ミケランジェロ広場、ベッキオ橋など)午後:自由行動《OP:ピサ半日観光》【フィレンツェ又は近郊泊】

◆5.午前:フィレンツェよりローマへ。午後:ローマ市内観光(コロッセオ、トレビの泉、スペイン広場など)【ローマ泊】

◆6.終日:自由行動 《OP:ナポリ・ポンペイ観光》【ローマ泊】

◆7.朝:ローマより空路ヨーロッパ内乗り継ぎ帰国の途へ。【機中泊】

◆8.午前:成田空港着。

★オプショナルツアー★
ピサ半日観光(昼食付) \12,000
ナポリ・ポンペイ観光(昼食付) \14,000

 テロ事件の影響で、10―12月に大手旅行会社の海外パックツアーを利用したり、予約したりしている旅行者は前年の6割前後まで落ち込んでいるという。地域別にみると、JTBでは、ニューヨークを含む北米が前年の30%。ヨーロッパは60%、ハワイは65%、近畿日本ツーリストでも、北米は20%にとどまっている。 これはもう行ってあげるしかない!

 前回は9日間で3カ国を回るという強行スケジュールだったが、今回はイタリアだけで、しかも子どもたちはどこにマクドナルドがあるか!知っているので、とても安心した表情だった。


準備


 準備が始まったが、前回のノーハウが生きているので、あまり心配はしていない。前回は極寒のスイスに服装を合わせた(快晴で暑くて半袖姿だった)のだが、イタリアだけなので、なるべく軽くて寒さしのぎができる服装ということになった。フリースが一番軽くて暖かそうだ。ユニクロのエアテックも検討したのだが、僕には暑すぎる感じで断念した。

 北イタリアは寒いだろうが、南は暖かい(はずだ)。

 12月になってから2万(一泊1万)でローマの5つ星ホテルに変更可能という書類が来るが、4人で8万だし、子どもの時からそんなに贅沢なことをさせてはいけないと断る(去年は5つ星ホテルに泊まれて喜んでいたくせに!)。

 酔っぱらって、右足を捻挫しそうになった。家族旅行が可能なのは家族が元気だという前提があることを忘れてはいけない。

 15日にようやく最終的な旅行日程を送ってくる。航空便が決まっていないツアーだと、子どもの成績表をもらうようにドキドキする。

 ミラノ直行のアリタリアだ。最初からこれだと一番いいなぁと思っていた便になったので、満足。何よりも子どもたちに楽だ。

 ホテルは郊外がちょっと多かったが、ローマはシェラトンとなった。

 阪急交通社は1年のうちに進化していて、タグがビニール製になったし、スーツケース用の大きなシールもでき、ラクダのバッヂが四角いものになった。

 ママが歌うオーケストラ・アンサンブル金沢とのクリスマスコンサートなどイベントが全部終わって、いよいよ準備が始まった。

 ところが、18日になって阪急から封書。帰りのローマからミラノまでの国内便が急になくなってしまい、抗議したもののダメで、朝7時25分ローマ発になってしまったという。すると起きるのが4時半、集合が5時になってしまう。帰りのミラノからの便は本当の出発はローマからだということをネットで知っていたので、どうしてか理由を聞くために阪急にかけた。しばらくしてから担当者が45人のツアー客を乗せる便は7時25分しかないとの一点張りだった。

 まあ、ツアーには色々なからくりもあるし、こんなトラブルなんていっぱいあるだろうからと諦める。

 服装はイタリア用に特化した。僕のカッターシャツはポケットにジッパーが入ったもの。セーターの代わりにユニクロのフリース(前あき)。ハンドバッグの代わりにユニクロのショルダーバッグとほとんどユニクロファッションになってしまった。

 準備もすんなりできて、24日の朝の出発が決まった。

 葉山の姉の家から出かけることにした。

次に


□イタリア政府観光局

□イタリア映画案内

KODURE

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