パソコン知ったかぶり---あとがきに代えて
という訳で、マックと二人の子供たちの関係を思いつくまま、ランダムに書いてきた。マックを買った若葉マークの学生(まだ買ってない学生も含めて)が読んでも分かるようにやさしく書いてあるのでパワーユーザーにはアホらしいことが多いだろうが、初心者がパソコン、ソフトを買う時や使うときの目安にしてもらえれば幸いである。書ききれないソフトがたくさんあるが、詳しくするときりがないのであくまで中間報告である。ただ、子供にはどんなソフトがあり、子供の反応はどうか、ということを教えてくれる人がいなかったから記録し始めたのである。
マックは子供でも使える道具なのである。また、道具として使いこなしていかなければどちらが主人か分からなくなる。教育に有用か、パソコンで育った子供はどうなるかなどという大層な議論はやめて面白いから取りあえず使ってみようと思ったのである。
子供用のパソコンとはいえ、色々なトラブルに見舞われた。そのたびに胃が痛くなったが、賢くもなった(?)
子供たちは変わったでしょう、といわれる。子供たちが僕をマッキントーちゃんと呼ぶようになった。というのは嘘で、実はあまり変わってない。
祐貴は相変らず、ウルトラマンが大好きで毎晩、ウルトラマン●×と怪獣■□の戦いの話をリクエストするし、特に賢くもなっていない。未蘭は相変らず負けん気が強くて元気だ。風邪をこじらせて一度入院したものの、冷蔵庫あさりを日課としている。二人で時々、マウスの取り合いをしている。僕自身、子供たちに変わってほしいとも思わない。生活の一部にパソコンがあれば、それで十分だ。テレビ、CD、ピアノなどのメディアの選択肢の一つである。子供が受ける刺激は人から受けるものと玩具などのものから受けるものがあり、パソコンは当然、後者である。大切なのは両方の刺激だが、特に大切なのは母親からの刺激である。お互いが信頼と幸福感に満たされているということを示すような会話が重要で、パソコンが母親の肩代わりをできるはずがない。とはいえ、妻もフランスの大学の開学式に出席したり、リサイタルを開いたりで忙しくしており、子守代わりにしてないことはない。
雑誌『MacUser』に「Performaと3匹の子ブタ」という連載があった。僕と狙いは同じだが、残念なことにパフォーマ275(カラークラシックII)を選択している。子供だから安くて小さいパソコンでいい、と思っているらしいが、大きな間違いである。なにしろ、体験版デモソフトを見せるのにMOに移してパフォーマで動かしていることを始めとして無理がある。13インチ以上のモニターでないと動かないソフトも多くてミラクルピアノも動かせない。失礼だが、ムダな努力である。
ところで、少なくとも後5年でパソコンが多くの家庭に入っていると思う。そのころには僕のエッセーもきっとお笑いになっているだろうが、僕の家族の肖像だと思ってこのエッセーを残しておく。エッセーというのは「試み」という意味のフランス語に由来する。書いてあることはすべて現時点での試みなのである(と、知的にごまかすのが知識人の悪いくせだ )。
僕は専門が言語学(ひとは言語ギャグという)ではあるが、決して言語教育ではない。だから、書いてある内容に責任をもつことはできない。「エミール」を書いたルソーだって自分の5人の子供に責任を持っていない!
パソコンは他の道具の多くがそうであるように、ある子供に障害があるかもしれないし、そうでないかもしれない。各家庭の責任において利用してもらいたい。何度も力説したようにパソコンと教育ソフトを揃えたから十分だ、という態度はやめてほしい。
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